司馬遼太郎著 「坂の上の雲」
外国に学びながら近代国家としての制度を整え、生まれ変わろうとする日本の、多少の熱にうかされているかのような高揚感と明るさ、そして国家とはなにかという問いかけにもにた戦争を、秋山好古、真之、正岡子規の人生をたどりながら描いた小説。
松山に到着してから、昔、何度も何度も読み返したのを思い出した。
明治時代。にわかに近代国家となった日本で、個人の働きが国家の成り立ちに直に、目に見えて響き、個人の多くが有用感を感じることができた時代。人々の世界は格段に広がり夢に満ちていた、ようにおもう。司馬氏の言葉を借りれば「最も幸福な楽天家たち」である登場人物達が、みな全力で生きていて、とにかく魅力的だった。司馬遼太郎氏の筆の力によるものかな。
帰ったらもう一度読み返してみよう。
だんだん、は、松山と聞くといつも頭に浮かぶ伊予の方言。
司馬遼太郎先生、だんだん。
