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「み薦刈る」は信濃(の国)にかかる枕詞。「みすゞかる」または「みこもかる」と読む。み薦、またはみ篶、美篶、水篶と記されることもある。篶とは、イネ科のスズタケ(篠竹)という細い竹。
○み薦苅る 信濃の真弓 吾が引かば
貴人さびて 否と言はむかも 〈禅師〉
(みすゞ刈る 信濃の真弓 吾が引かば
うまひとさびて 否と 言わんかも)
○み薦苅る 信濃の真弓 引かずして
強佐留行事を知ると言はなくに〈郎女〉
(みすゞ刈る 信濃の真弓 引かずして
しいさるわざを 知ると言わなくに)
相聞歌として万葉集にのっている。歌は、覚えてはいなかったけれど、聞いたことはある。でも、「みすゞかる」が枕詞だ、なんていうことも、歌の意味すらもわかっていなかった、というか、知らなかった。つまりは深く考えたことはなかった。万葉仮名の和歌はどれだけ読んでも、意味がピンとこなくて、スルーすることばかりだし。(仕事で必要な場合のみ、ちょっとだけ万葉仮名と意味を調べるくらいだった…)
本来は「みこも」と読むところをある時賀茂真淵ら国学者が「みすゞ」と読んだため、江戸時代後期以降、「みすゞかる」が定着したのではないかと言われているそう。日本語ってこうやって変遷するのね。
難しい話はこれくらいにしておく。この「みすゞかる」から引用された「みすゞ」。
そう、金子みすゞさんに会いに行ってきた。
みすゞって、音の響きもきれいだものね。大正時代のペンネームとしてはかなり目をひいたのではないかと思う。